「現代文はセンス」「勉強しても伸びない」とよく言われます。でも、現代文で安定して点を取る人は、なんとなく読んでいるわけではありません。読みながら手を動かして、言葉と言葉の関係を確かめています。この作業は練習で身につきます。
現代文の勉強ロードマップ
1漢字と評論の用語
2読む練習(書き込み)
3答える練習(記述・選択肢)
4問題演習と復習
漢字と評論の用語
「抽象」「相対化」「逆説」のような言葉があいまいだと、本文の理解もあいまいになります。
漢字は、問題集を1回解いて、まちがえたものだけを2回目に、2回目もまちがえたものだけを3回目に解きます。3回まわって8〜9割書けるようになったら、その問題集は終わりにして、残りは演習で出てきたときに覚えます。漢字の問題は言葉の意味を知っているかも問われるので、意味もいっしょに確かめましょう。
評論の用語は、用語集を最初から覚えようとしなくていいです。まず全体をざっと読み、問題を解いていて出てきた語をそのつど用語集で確かめます。だんだん「見たことがある言葉」が増えて、読むのが楽になっていきます。「具体↔抽象」「主観↔客観」のような対義語は、対にして覚えます。
問題を解いていて、自分の言葉で説明できない語があったら印をつけ、解き終わってから辞書を引きます。辞書の説明の言い方ごと覚えておくと、記述問題で使える表現が増えます。
評論の読み方:例で説明します
次の短い文章で、読みながら何をするかを説明します。
私たちは、便利になることを、よいことだと考えがちだ。しかし、便利さは、私たちから何かを奪ってもいる。たとえば、地図のアプリを使えば、迷わずに目的地に着ける。だが、そのかわりに、道に迷いながら町の様子を知るという経験は失われる。つまり、便利さとは、手間とともに、手間の中にあった発見までも省いてしまうものなのである。
この文章を読むときに、印をつけるのは次の所です。
| 印をつける所 | この文章では | 何がわかるか |
|---|---|---|
| つなぎの言葉 | 「しかし」「たとえば」「だが」「つまり」 | 「しかし」「つまり」のあとに筆者の言いたいこと、「たとえば」のあとに具体例 |
| 対比 | 便利(迷わず着く)↔ 不便(迷いながら町を知る) | 筆者は「不便」の側に価値を見ている |
| 言い換え | 「何かを奪っている」=「手間の中にあった発見までも省いてしまう」 | 傍線部の説明に使える |
長い文章では、段落ごとの内容より、段落と段落の関係(前の段落のくり返しか、反対か、理由か)を確かめながら読み進めます。
読み終わったら、本文を閉じて、筆者の言いたいことを一、二文で言ってみてください。言えなければ、まだ読めていません。
記述問題の答え方
さっきの文章で、こんな問題が出たとします。
答えは、次の手順で作ります。
- 傍線部を分ける:「便利さは」/「何かを」/「奪っている」
- それぞれを、本文の別の言葉で言い換える:「何か」=「手間の中にあった発見」、「奪う」=「省いてしまう」
- 答えに入れる要素を書き出す:①便利になると手間が省ける ②手間の中で得られた発見や経験も失われる
- 文にまとめ、字数に合わせて削る
答えの例:便利で手間が省けると、手間の中で得られた発見や経験まで失われるということ。(37字)
選択肢の問題の答え方
- 選択肢を読む前に、自分の答えを考えておく。先に選択肢を読むと、もっともらしいまちがいに引っぱられます。
- 正解以外の選択肢も、どこがまちがいかを言えるようにする。「言いすぎ」「本文にない」「理由と結果が逆」などです。
- 本文の内容には合っているのに、聞かれていることに答えていない選択肢に注意する。
- 入試の現代文は、筆者が正しいかどうかではなく、本文に何が書いてあるかを答えます。自分の意見とは分けて考えましょう。
小説の読み方
小説では、登場人物の気持ちがよく問われます。「自分ならこう感じる」で答えるのではなく、本文に書かれた出来事から考えます。
練習として、傍線部の人物になったつもりで、「私は〜だから、〜と思った」と書いてみると、気持ちとその理由をセットで考えられるようになります。
問題演習と復習
現代文は、たくさん解いて答え合わせをするだけでは伸びません。1題に時間をかけましょう。
同じ問題をすぐ解き直すと、答えを覚えているだけになります。解き直すなら、答えではなく「本文のどこを根拠に、どう考えたか」を思い出せるかを確かめましょう。
時間内に解く練習は、時間をかければ解けるようになってからです。時間が足りなくなる原因は、多くの場合、読む速さではなく、本文がわからないまま設問で迷っている時間です。
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よくある悩み
読むのが遅い
目を速く動かす練習より、語彙と背景知識を増やすほうが効果があります。知っている言葉やテーマが多いほど、速く読めます。
点数が安定しない
苦手なテーマ(哲学・芸術・言語など)があると、点数が上下しやすくなります。用語集をときどき読み返して、そのテーマの言葉に慣れておきましょう。
伸びている気がしない
現代文は伸びを感じにくい科目です。前に書いた記述の答案と今の答案を比べると、伸びがわかります。
定期テストの現代文
- 授業で読んだ文章から出るので、授業ノートと本文の書き込みが一番の教材です。
- テスト前は、本文を閉じて「筆者の主張」「対比されているもの」「傍線部の言い換え」を言えるか確かめます。
- 漢字と語句の意味は、確実に点が取れる所です。授業で出たものは全部書けるようにしておきましょう。