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『史記』項王自刎・項王最期

 於是項王乃欲東渡烏江。

烏江亭長檥船待。謂項王曰、「江東雖小、地方千里、衆数十万人、亦足王也。

・雖~…「~といへども」~とはいっても、~けれども

※「雖」は「~としても」と訳すことが多いが、「雖」の上に主語があるときは「けれども、~とはいっても」と訳す。

また…~もまた。

〇烏江を渡った江東の地は、項王がはじめ挙兵した場所。

願大王急渡。

・願~…「願はくは~(命令形)」どうか~してください。

今独臣有船。漢軍至、無以渡。」

・独…「独り~のみ」ただ~だけ。

項王笑曰、「天之亡我、我何渡為。

且籍与江東子弟八千人、渡江而西、今無一人還。

縦江東父兄憐而王我、我何面目見之。

・縦~…「たとひ~とも」たとえ~としても。

縦彼不言、籍独不愧於心乎。」

項王は江を渡って逃げることを拒否した

乃謂亭長曰、「吾知公長者。吾騎此馬五歳、所当無敵。

嘗一日行千里。不忍殺之、以賜公。」

乃令騎皆下馬歩行、持短兵接戦。

〇死を覚悟して、馬から下りて最後の戦いをしようとしてる。

独籍所殺漢軍数百人。項王身亦被十余創。

顧見漢騎司馬呂馬童曰、「若非吾故人乎。」

・故人…昔馴染み。古くからの友人。

・非~乎「~に非ずや」~ではないか。

馬童面之、指王翳曰、「此項王也。」

項王乃曰、「吾聞、『漢購我頭千金・邑万戸。』吾為若徳。」乃自刎而死。

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