MENU

『史記』鴻門之会(鴻門の会)③樊噲 頭髪上指 現代語訳・解説

於是張良至軍門、見樊噲。樊噲曰、「今日之事何如。」

・於是…「ここいて」そこで

〇樊噲…沛公の部下。

良曰、「甚急。今者項荘抜剣舞。其意常在沛公也。」

・其意常在沛公也…その(項荘が剣舞をする)ねらいは、常に沛公を殺すことにある。

噲曰、「此迫矣。臣請、入与之同命。」

〇請ふ~(せ)ん…~したい、~させてください。

〇入与之同命…沛公と生死をともにする。命をかけて、沛公危機からを救いに行く。

噲即帯剣擁盾入軍門。交戟之衛士、欲止不内。樊噲側其盾、以撞衛士仆地。

噲遂入、披帷西嚮立、瞋目視項王。頭髪上指、目眦尽裂。

〇西を向く=項王のほうを向いている。

〇頭髪上指、目眦尽裂…樊噲が項王に対して、非常に怒っている様子を示している。

王按剣而跽曰、「客何為者。」

・客…「かく」と読む。

・何為~…「何為なんする~」どういう~。

張良曰、「沛公之参乗樊噲者也。」

・参乗…護衛の兵士。

項王曰、「樊噲。賜之卮酒。」則与斗卮酒。

・壮士…勇ましい血気盛んな者。

噲拝謝起、立而飲之。

項王曰、「賜之彘肩。」則与一生彘肩。

・彘肩…豚の生肩肉。当時ではごちそう。

樊噲覆其盾於地、加彘肩上、抜剣切而啗之。

『史記』鴻門之会④

目次