どの文章にも出てくる頻出の助動詞「つ」「ぬ」。
文法問題でもよく問われます。用法をしっかり覚えよう!
目次
意味・接続・活用
意味…強意・完了
接続…連用形接続
活用…
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
て | て | つ | つる | つれ | てよ |
な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
「つ」は下二段型。「ぬ」はナ行変格活用と同じですね。
用法
「完了」はある動作・作用が完了した意味を表し、「~た」「~てしまう」などと訳す。
「強意」は未来の事柄について、確かに起こることとしていう確述の意味で「きっと~、~てしまう」などと訳す。
→確定したことであれば完了、未確定のことであれば強意で考えましょう。
文章中によくある形をしっておくと役立ちます。
〈よく文中にでてくる形〉
〇「つ・ぬ」+推量系の助動詞→ 強意
未確定のことであれば、強意でした。
そのため、推量系の助動詞(「む」「べし」など)と一緒に使われている「つ」「ぬ」は強意でとりましょう。
推量ということは、まだ確定した事柄ではないですよね。
※「推量」は代表的な意味であげているだけで、「意志」「勧誘」「婉曲」などの場合もあります
以下の形を音読して頭にいれておきましょう。
「て む」「な む」
「つ べし」「ぬ べし」
「て まし」「な まし」
「つ らむ」「ぬ らむ」
例えば 助動詞「む」は未然形接続ですから、未然形の「て」「な」とつながりますね。
例文
▽ 怠らず成じてむ。(怠らないで、きっと成し遂げよう。)
「て」は強意、「む」は意志。
▽ 風吹きぬべし。 (風がきっと吹くだろう)
「ぬ」は強意、「べし」は推量。
〇過去の助動詞と合わさる形→完了
過去は確定したことなので、完了になりますね。
▽ 一夜のうちに塵灰となりにき。 (一夜のうちに塵灰となってしまった。)
「に」は完了、「き」は過去。
補足
成り立ち
「ぬ」…は「行ってしまう」という意味の動詞「往ぬ」から生まれたとされています。
「つ」…「捨てる、去らせる」という意味の動詞「棄つ」から生まれたとされています。