文法問題の最頻出問題の一つで、読解上も重要な「ぬ」「ね」の識別。
実は、ポイントをつかんでしまえば、簡単にできてしまいます。
覚えておくべきこと
まず正確な知識が必要です。
「ず」「ね」の区別に必要な知識は以下のものです。
助動詞「ぬ」
意味…完了・強意
接続…連用形
活用…終止形で「ぬ」、命令形で「ね」
未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
---|---|---|---|---|---|
な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
助動詞「ず」
意味…打消
接続…未然形
活用…連体形で「ぬ」、已然形で「ね」
未然 | 連用 | 終止 | 連体 | 已然 | 命令 |
---|---|---|---|---|---|
ず ざら | ず ざり | ず | ぬ ざる | ね ざれ | ざれ |
「ぬ」「ね」の識別には二つの助動詞がかかわってきます。
まずはこの二つ、助動詞「ぬ」、と助動詞「ず」の意味・接続・活用を頭に叩き込んでくださいね。
いいですか、これを完璧に覚えることが大事ですよ。
目をつぶって5回「「ぬ」、完了強意、連用形接続、な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね、、「ず」、打消、未然形接続、ず、ざら・ず、ざり・ず・ぬ、ざる・ね、ざれ・ざれ」と唱えることができたら次へ
②識別の仕方
覚えてしまえば、その知識を使うだけです。
識別方法には大きく二つに方法があります。
⑴接続を使う
例えばこの「ぬ」は何でしょう。
黄金ある竹を見つくることかさなりぬ。(黄金の入った竹を見つけることがたび重なった。)
まず接続、つまり何形にくっついているか確認しましょう。「ぬ」は連用形の下についていますね。
(「かさなり」は「ら・り・る・る・れ・れ」と活用する、ラ行四段活用動詞「かさなる」の連用形です)
そうなると、さきほどの二つの助動詞のうち、連用形の下につくことのできるのは完了強意の助動詞「ぬ」の終止形ですね。
打消「ず」は未然形の下につくのでした。
例えば次の「ぬ」は打消「ず」の連体形です。
法師ばかりうらやましからぬものはあらじ。(法師ほどうらやましくないものはないだろう)
この「ぬ」は形容詞「うらやまし」の未然形についていますね。