柳宗元(りゅうそうげん)の『江雪(こうせつ)』の書き下し文・現代語訳・解説です。
鳥の姿も人の足跡も消えた、雪の山と道。その静まりかえった景色の中に、一艘の小舟が浮かび、蓑と笠をつけた老人が、ただ一人で釣り糸を垂れています。わずか二十字で、雪景色と一人の人物がくっきりと浮かぶ詩です。
書き下し文・現代語訳・解説
白文千山鳥飛絶
書き下し千山鳥飛ぶこと絶え
現代語訳あらゆる山から、鳥の飛ぶ姿が絶えて、
- 千山
- たくさんの山々。「千」は、数の非常に多いことをいう。
- 鳥飛
- 鳥が飛ぶこと。
- 絶
- なくなる。いなくなる。
白文万径人蹤滅
書き下し万径人蹤滅す
現代語訳あらゆる道から、人の歩いた跡が消えた。
- 万径
- たくさんの小道。「万」は起句の「千」と対応する。「径」は道の意。
- 人蹤
- 人の足跡。
- 滅
- 消える。なくなる。
白文孤舟蓑笠翁
書き下し孤舟蓑笠の翁
現代語訳一艘の小舟には、蓑と笠をつけた老人が、
- 孤舟
- 一艘の小舟。
- 蓑笠
- 蓑と笠。雨や雪をよけるための身なり。
- 翁
- 年老いた男。釣りをしているので、漁師だと考えられる。
白文独釣寒江雪
書き下し独り釣る寒江の雪
現代語訳雪が降る、寒々とした川で、ただ一人釣り糸を垂れている。
- 独
- 「ひとリ」。ただ一人で。「孤舟」の「孤」と同じ意味合いで、一人ぼっちであることを強める。
- 寒江
- 寒々とした川。
- 寒江雪
- 寒々とした川に降る雪。
テスト予想問題
A 詩の形式・語句
この詩の作者と詩の形式を答えよ。また、押韻している字をすべて抜き出せ。
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作者:柳宗元 詩の形式:五言絶句 押韻:絶・滅・雪
対句になっているのは、どの句とどの句か。また、その二句の中で意味の上で対になっている語を三組抜き出せ。
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起句(第一句)と承句(第二句)。
千山と万径、鳥飛と人蹤、絶と滅「千」と反対の意味を表す字を、詩の中から二つ抜き出せ。
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孤・独
次の語の意味を答えよ。
①千山
②人蹤
③蓑笠
④寒江解答を見る
①たくさんの山々
②人の足跡
③蓑と笠
④寒々とした川
B 書き下し文・現代語訳
「独釣寒江雪」を書き下し文にし、現代語訳せよ。
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書き下し文:独り釣る寒江の雪
現代語訳:雪が降る寒々とした川で、ただ一人釣り糸を垂れている。「万径人蹤滅」を書き下し文にし、現代語訳せよ。
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書き下し文:万径人蹤滅す
現代語訳:あらゆる道から、人の歩いた跡が消えた。
C 内容の読み取り
「鳥飛絶」「人蹤滅」となったのは、なぜか。
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雪が降り積もったから。
「独釣寒江雪」の老人は、どこで何をしているか。
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雪の降る寒々とした川に舟を浮かべて、一人で釣りをしている。
この詩の主題を答えよ。
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厳しい自然の中で、孤独に耐えながら守る孤高の精神。