李白(りはく)の『秋浦歌(しゅうほのうた)』の書き下し文・現代語訳・解説です。
「白髪三千丈」という書き出しで知られる詩です。ふと見た鏡に、真っ白になった自分の髪が映っている。その驚きを、三千丈という大げさな長さと、「秋の霜」というたとえで表しています。
書き下し文・現代語訳・解説
白文白髪三千丈
書き下し白髪三千丈
現代語訳わたしの白髪は、なんと三千丈もの長さだ。
- 丈
- 長さの単位。十尺で、唐の時代には約三メートル。三千丈は約九キロメートルになる。
- 三千丈
- 実際の長さではない。大げさに言うこと(誇張)で、愁いの深さを表している。
白文縁愁似箇長
書き下し愁ひに縁りて箇くの似く長し
現代語訳積もり積もった愁いのせいで、こんなにも長くなってしまったのだ。
- 縁
- 「よリテ」。~が原因で。~のために。
- 似箇
- 「かクノごとシ」。このように。「如此」と同じ意味。
- 長
- 第一句の「三千丈」を受けて、白髪の長さをいう。
白文不知明鏡裏
書き下し知らず明鏡の裏
現代語訳気づかないうちに、澄んだ鏡の中に映るわが頭に、
- 不知
- 「しラず」。第四句の「何れの処にか秋霜を得たる」にかかり、「いったい~かわからない」と疑問を強める。
- 明鏡
- 澄んだ鏡。ふつうの鏡と取る説と、秋浦の川の静かで波の立たない水面を鏡に見立てたものとする説がある。
- 裏
- 「うち」。中。「うら」ではない。
白文何処得秋霜
書き下し何れの処にか秋霜を得たる
現代語訳いったいどこから、この秋の霜がおりてきたのだろうか。
- 何処
- 「いづレノところニカ」。どこ。疑問を表し、「か」を添えて読む。
- 秋霜
- 秋におりる霜。真っ白な霜で、白髪をたとえている。
テスト予想問題
A 詩の形式・語句
この詩の作者と詩の形式を答えよ。また、押韻している字をすべて抜き出せ。
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作者:李白 詩の形式:五言絶句 押韻:長・霜
次の語を、送り仮名まで含めてどう読むか。現代仮名遣いのひらがなで書け。
①縁りて
②似く
③裏
④何れの処にか解答を見る
①よりて
②ごとく
③うち
④いずれのところにか次の語の意味を答えよ。
①縁愁
②似箇
③明鏡解答を見る
①愁いのために
②このように
③澄んだ鏡
B 書き下し文・現代語訳
「縁愁似箇長」を書き下し文にし、現代語訳せよ。
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書き下し文:愁ひに縁りて箇くの似く長し
現代語訳:愁いが積もったために、こんなにも長くなってしまった。「何処得秋霜」を書き下し文にし、現代語訳せよ。
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書き下し文:何れの処にか秋霜を得たる
現代語訳:いったいどこから、秋の霜(のような白髪)がおりてきたのだろうか。
C 内容の読み取り
「三千丈」はおよそ何キロメートルか。また、作者はこの言い方で何を表そうとしているか。
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約九キロメートル。実際の長さではなく、大げさに言うことで、自分の愁いがそれほど深いことを表している。
「秋霜」は何をたとえたものか。詩の中から抜き出せ。
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白髪
「知らず」は、何がわからないというのか。その内容を表した句を、詩の中から抜き出せ(訓点不要)。
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何処得秋霜
「明鏡」を、秋浦の川面を見立てたものと読む説がある。そう読むとき、川面はどのような様子だと考えられるか。また、そこには何が映っているか。
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静かで波が立たず、澄んでいる様子。年老いて白髪になった自分の姿が映っている。
この詩の主題を答えよ。
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愁いを抱えたまま年老いていく自分の身への嘆き。