孟浩然(もうこうねん)の『春暁(しゅんぎょう)』の書き下し文・現代語訳・解説です。
春の朝、心地よさにまかせて眠っていた作者は、鳥のさえずりで目を覚まします。ふと、昨夜の風雨の音を思い出し、庭の花がどれだけ散ったことかと思う、というやさしい詩です。わずか二十字ですが、「眠り」「鳥の声」「風雨の音」「花」と、春の朝の様子が自然に浮かんできます。
書き下し文・現代語訳・解説
白文春眠不覚暁
書き下し春眠暁を覚えず
現代語訳春の眠りは心地よく、夜が明けたのも気づかない。
- 春眠
- 春の眠り。春の朝の心地よい眠り。
- 暁
- 夜明け。明け方。
- 不覚~
- 「~を覚えず」。~に気づかない。「覚」は、はっと気づく、の意味。
白文処処聞啼鳥
書き下し処処啼鳥を聞く
現代語訳あちらこちらで、鳥の鳴く声が聞こえる。
- 処処
- あちらこちら。「ところどころ」ではなく、「いたるところ」の意味。
- 啼鳥
- 鳴いている鳥。本来は「鳥啼く」の語順だが、押韻のために「啼鳥」とした。
- 聞
- 「きク」。自然に耳に入る、聞こえる。
白文夜来風雨声
書き下し夜来風雨の声
現代語訳昨夜は、風や雨の音がしていた。
- 夜来
- 昨夜。「来」は語調を整える助字。
- 風雨声
- 風や雨の音。「声」は、人の声ではなく「音」の意味。
白文花落知多少
書き下し花落つること多少を知らんや
現代語訳(その風雨で)花はどれくらい散ったことだろうか。
- 花落
- 花が散ること。
- 多少
- どれくらい。数量を問う疑問詞。「多い」という意味ではない。
- 知らんや
- 「知らない(わからない)ことだ」と、反語のように読む。「花落つること知る多少」「花落つること知んぬ多少ぞ」と読む教科書もある。
テストで問われるポイント
- 作者=孟浩然。詩形=五言絶句。押韻=暁・鳥・少。対句はなし。
- 「不覚暁」=夜が明けたことに気づかない。
- 「処処」=あちらこちら。「聞」=聞こえる。
- 「啼鳥」と「風雨声」、「暁」と「夜来」が対照的。
- 「夜来」=昨夜。「声」=音。
- 「多少」=どれくらい(疑問詞)。「花落つること多少を知らんや」。
- 作者は、家の布団の中にいる。
テスト予想問題
A 詩の形式・語句
この詩の作者と詩の形式を答えよ。また、押韻している字をすべて抜き出せ。
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作者:孟浩然 詩の形式:五言絶句 押韻:暁・鳥・少
次の語の意味を答えよ。
①夜来
②声(風雨声)
③多少解答を見る
①昨夜
②音
③どれくらい(数量を問う語)
B 書き下し文・現代語訳
「花落知多少」を書き下し文にし、現代語訳せよ。
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書き下し文:花落つること多少を知らんや
現代語訳:(風雨で)花はどれくらい散ったことだろうか。「春眠不覚暁」を現代語訳せよ。
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春の眠りは心地よく、夜が明けたことにも気づかない。
C 内容の読み取り
「処処聞啼鳥」とあるが、作者はどこで、どのような状態で鳥の声を聞いているか。
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家の布団の中で、うとうと眠っている(寝ている)状態で聞いている。
「啼鳥」「夜来」と対照的に使われている語を、詩の中からそれぞれ抜き出せ。
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啼鳥⇔風雨声 夜来⇔暁
「花落知多少」では、作者は何を思っているか。
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昨夜の風雨で、花がどれくらい散ってしまったかということ。
この詩の主題を答えよ。
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春の朝の心地よい眠りを楽しみながら、昨夜の風雨で散った花を思いやる気持ち。