『徒然草』序段「つれづれなるままに」 現代語訳・品詞分解・解説|テスト予想問題付き

目次
  1. 『徒然草』とは(作者・成立・内容)
  2. 原文の読み方
  3. 現代語訳・品詞分解・解説
  4. つれづれなるままに
  5. テスト予想問題

『徒然草(つれづれぐさ)』序段「つれづれなるままに」の現代語訳・品詞分解・解説です。

序段は「つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて……」で始まる、わずか一文の短い文章です。することもなく退屈なのにまかせて、心に浮かぶとりとめもないことを書きつけていくと、不思議なほど気持ちが高ぶってくる――作者が『徒然草』をどのように書いたかを示した、作品全体の序文にあたります。「つれづれなるままに」がどこにかかるか、執筆の動機・対象・態度にあたる部分、係り結び「こそ〜けれ」、「ものぐるほし」の心境がよく問われます。

『徒然草』とは(作者・成立・内容)

原文の読み方

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現代語訳・品詞分解・解説

つれづれなるままに

原文
つれづれなるナリ連体ままに格助状態、日暮ひぐらし副、硯すずりに格助対象向かひハ四連用て接助単純接続、

現代語訳これといってすることもなく手持ちぶさたであるのにまかせて、一日中、硯に向かって(筆をとり)、

つれづれなり
することがなく、手持ちぶさただ。所在ない。
日暮らし
一日中。「ひくらし」と読む本もある。
硯に向かふ
硯の置いてある机の前に座る。筆をとって書こうとすること。
解説

「つれづれなるままに」は、すぐあとの「日暮らし」「硯に向かひて」ではなく、「書きつくれば」にかかる。書き始めたきっかけ(執筆の動機)を示している。

「つれづれ」は、することがなく単調な状態だが、仕事やつきあいから離れて心にゆとりのある自由な状態でもある。

原文
心に格助場所うつりゆくカ四連体よしなしごとを格助対象、そこはかとなくク連用書きつくれカ下二已然ば接助順接確定、

現代語訳次々に心に浮かんでは消えていく、とりとめのないことを、何という順序もなく書きつけていくと、

うつりゆく
(心に)次々と浮かんでは消えていく。
よしなしごと
とりとめもないこと。つまらないこと。
そこはかとなし
これといった順序や目当てもない。とりとめがない。
書きつく
書きつける。
解説

「心にうつりゆくよしなしごと」が書く対象、「そこはかとなく」が書き方(態度)にあたる。

自分の書くものを「よしなしごと」「そこはかとなく」と、価値の低いもののように言っており、謙遜の気持ちが表れている。

原文
あやしうシク連用・音こそ係助強意ものぐるほしけれシク已然。

現代語訳我ながら不思議なほど、何かにとりつかれたように気持ちが高ぶってくることだ。

あやし
不思議だ。妙だ。
ものぐるほし
何かにとりつかれたようで、気持ちが普通でなくなる。
解説

「ものぐるほしけれ」で一語の形容詞(已然形)。「けれ」を過去の助動詞「けり」と見誤らないようにする。

書き進めるうちに、書きたいことが次々に浮かんできて、何かにとりつかれたように気持ちが高ぶってくる心境。書きつけたものを見て我ながらおかしな気持ちになる、と解する説もある。

『徒然草』のほかの段:ある人、弓射ることを習ふに / 九月二十日のころ / 花は盛りに / 世に語り伝ふること / 丹波に出雲といふ所あり / 今日はそのことをなさんと思へど

テスト予想問題

A 読み・語句

  1. 次の語の読みを現代仮名遣いで答えよ。
    ①徒然草
    ②日暮らし
    ③硯
    ④ものぐるほしけれ

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    ①つれづれぐさ
    ②ひぐらし(ひくらし)
    ③すずり
    ④ものぐるおしけれ

  2. 本文中で使われている意味を、次の語それぞれについて答えよ。
    ①つれづれなり
    ②日暮らし
    ③うつりゆく
    ④よしなしごと
    ⑤そこはかとなし
    ⑥あやし
    ⑦ものぐるほし

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    ①することがなく手持ちぶさただ
    ②一日中
    ③次々と浮かんでは消えていく
    ④とりとめもないこと
    ⑤これといった順序や目当てもない
    ⑥不思議だ
    ⑦何かにとりつかれたように気持ちが高ぶる

B 文法

  1. 次の語の品詞名を答えよ。
    ①つれづれなる
    ②日暮らし

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    ①形容動詞
    ②副詞

  2. 「あやしうこそものぐるほしけれ。」について、①係り結びになっている係助詞と、その結びの語を抜き出せ。②①の係助詞がなかったとすると、文末の語はどのような形になるか。

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    ①係助詞=こそ 結び=ものぐるほしけれ(已然形)
    ②ものぐるほし

C 現代語訳・内容

  1. 「つれづれなるままに」は、どの語句にかかっているか。本文から抜き出せ。

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    書きつくれば

  2. 「つれづれなる」とは、作者のどのような状態を表しているか。説明せよ。

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    これといってすることがなく手持ちぶさただが、そのぶん心にゆとりがあり自由でいられる状態。

  3. 「硯に向かひて」とは、どうすることか。簡潔に答えよ。

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    机の前に座って、筆をとること。

  4. この序段で、①執筆の動機
    ②書く対象
    ③書き方(態度)にあたる部分を、それぞれ本文から抜き出せ。

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    ①つれづれなるままに
    ②心にうつりゆくよしなしごと
    ③そこはかとなく

  5. 自分の書くものを「よしなしごと」「そこはかとなく」と表現していることから、作者のどのような気持ちが読み取れるか。

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    自分の書くものを取るに足りないものとして控えめに言う、謙遜の気持ち。

  6. 「あやしうこそものぐるほしけれ。」について、①現代語訳せよ。②どのような心境を表しているか。説明せよ。

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    ①我ながら不思議なほど、何かにとりつかれたように気持ちが高ぶってくることだ。
    ②書いていくうちに書きたいことが次々に浮かんできて、普通ではいられないほど気持ちが高ぶっている心境。

  7. 『徒然草』について、①作者
    ②成立した時代
    ③ジャンルを答えよ。また、④『徒然草』とともに三大随筆と呼ばれる二つの作品名と、その作者を答えよ。

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    ①兼好法師
    ②鎌倉時代(末期)
    ③随筆
    ④『枕草子』(清少納言)・『方丈記』(鴨長明)