『西鶴諸国ばなし』大晦日は合はぬ算用② 現代語訳・品詞分解・解説|テスト予想問題付き

目次
  1. 原文の読み方
  2. 現代語訳・品詞分解・解説
  3. 身の潔白を示す客たち
  4. 自害しようとする三人目の男
  5. 出てきた小判
  6. 余った一両の始末
  7. 作者の感想
  8. テスト予想問題

井原西鶴『西鶴諸国ばなし』「大晦日は合はぬ算用(おおつごもりはあわぬさんよう)」②(あるじの申すは〜格別ぞかし)の現代語訳・品詞分解・解説です。

酒宴の終わりに小判が一両足りないとわかり、浪人たちは身の潔白を示そうとします。たまたま一両を持っていた男は、疑われることを恥じて自害しようとしますが、そこへ小判が出てきて、今度は十一両になってしまいます。一人一人の言動の理由と、余った一両の始末のしかた、最後の「格別ぞかし」がよく問われます。前半は大晦日は合はぬ算用①で読みます。

原文の読み方

原文の一語一語に、活用や助動詞・助詞の意味を示しています。緑の下線は敬語です。下のボタンで、用言・助動詞・助詞・敬語の種類と向きを別々に出したり消したりできます。ラベルを押すと古典文法一覧の説明に飛びます。

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現代語訳・品詞分解・解説

身の潔白を示す客たち

原文
あるじの格助主格申すサ四連体謙→客たちは係助提示、「そ代名の格助体修うち一両は係助提示、さる連体方へ格助方向払ひハ四連用し過去連体に接助逆接確定、拙者せつしや代名の格助体修覚え違へ。」と格助引用言ふハ四終止。

現代語訳主人が申すには、「そのうちの一両は、ある所へ支払ったのに、私が覚え違いをしていた。」と言う。

さる
ある。
拙者(せつしや)
わたし。武士などが自分のことをいう語。
解説

内助がこう言ったのは、客に疑いがかかり、せっかくの宴が気まずくなるのを防ぐため。

原文
「ただ今副まで副助範囲たしかナリ語幹十両見えヤ下二連用し過去連体に接助逆接確定、めいよの格助体修ことぞ係助強調かし終助念押し。とかく副は係助強調めいめいの格助体修身晴れ。」と格助引用、

現代語訳(客たちは)「たった今まで確かに十両見えていたのに、奇妙なことだよ。ともかく、めいめいが身の潔白を明らかにしよう。」と言って、

めいよ
奇妙だ。不思議だ。
とかく
ともかく。
身晴れ
身の潔白を明らかにすること。
解説

「見えしに」の「に」は逆接確定(〜のに)。たった今まで確かに十両あったのに、という気持ち。

原文
上座じやうざから格助起点帯を格助対象とけカ四已然ば接助順接確定、そ代名の格助体修次も係助添加改めマ下二連用ける過去連体。三人目に格助場所ありラ変連用し過去連体男、渋面じふめんつくつラ四連用て接助単純接続ものを格助対象も係助強調言はハ四未然ざり打消連用し過去連体が接助単純接続、膝立て直しサ四連用、

現代語訳上座にいる者から順に帯をほどいて見せると、その次の者も(衣服を)調べてみせた。三人目に座っていた男は、渋い顔つきで黙りこんでいたが、膝を立て直して、

上座(じやうざ)
上位の人が座る席。
渋面(じふめん)
しかめっ面。
解説

「帯をとけば」は、小判を身につけて隠していないことを示すため。客たちが自分から身の潔白を示そうとしている。

自害しようとする三人目の男

原文
「浮世に格助場所は係助提示、かかるラ変連体難儀なんぎも係助強調あるラ変連体ものかな終助詠嘆。それがし代名は係助提示、身ふるふハ四連体まで副助程度も係助強調なしク終止。

現代語訳「世の中には、こんな難儀なこともあるものよ。わたしは、着物を振って見せるまでもない。

浮世
この世。世の中。
難儀
困ったこと。厄介なこと。
それがし
わたし。
解説

「身ふるふまでもなし」は、ほかの客のように着物を振って調べてみせるまでもない(自分は小判を持っている)ということ。

原文
金子一両持ち合はすサ下二終止こそ係助強意、因果いんぐわなれ断定已然。思ひハ四連用も係助強調よらラ四未然ぬ打消連体ことに格助理由、一命いちめいを格助対象捨つるタ下二連体。」と格助引用思ひ切つラ四連用て接助単純接続申せサ四已然謙→一座の客ば接助順接確定、

現代語訳小判一両を持ち合わせていることこそ、わが身の不運だ。思いがけないことで、この命を捨てる。」と腹を決めて申すと、

因果
身の不運。
思ひ切る
覚悟を決める。
解説

「こそ〜なれ」は係り結び。「なれ」は断定の助動詞「なり」の已然形。

「因果(不運)」なのは、一両がなくなったちょうどそのときに、偶然自分が一両を持っていたため、盗んだと疑われる立場になってしまったから。

「一命を捨つる」は、疑われることそのものを恥とし、死んで潔白を示そうという武士の意地。

原文
一座口を格助対象そろへハ下二連用て接助単純接続、「こなた代名に格助対象限らラ四未然ず打消連用、あさましきシク連体身なれ断定已然ば接助順接確定とて格助理由、小判一両持つタ四終止まじき打消当然連体ものに断定連用も係助強調あら補・ラ変未然ず打消終止。」と格助引用申すサ四終止謙→三人目の男。

現代語訳居合わせた者たちは声をそろえて、「あなただけではない。落ちぶれた身の上だからといって、小判一両を持っているはずがない、ということはない。」と申す。

こなた
あなた。
あさまし
(ここでは)落ちぶれている。みじめだ。
解説

「持つまじきものにもあらず」は、「(小判一両を)持っているはずがないというものでもない」。だれが小判を持っていてもおかしくはない、と男をかばっている。

原文
「いかにも副こ代名の格助体修金子の格助体修出所でどころは係助提示、私代名持ち来たりラ四連用たる存続連体、徳乗の小柄とくじようのこづか、唐物屋十左衛門からものやじふざゑもんかたへ格助方向、

現代語訳(三人目の男は)「確かに、この小判の出どころは、私が長年持っていた徳乗作の小柄で、それを唐物屋十左衛門の店へ、

いかにも
確かに。
徳乗の小柄
彫金家後藤徳乗が飾りを彫った小柄(刀の鞘にさしそえる小刀)。
唐物屋
輸入品などを扱う商人。
原文
一両二歩いちりやうにぶに格助結果、昨日売りラ四連用候さうらふ補・ハ四連体丁→一座の客こと、まぎれは係助提示なけれク已然ども接助逆接確定、折ふしわるしク終止。

現代語訳一両二歩で、昨日売りましたもので、そのことに間違いはないけれども、時が悪かった。

歩
江戸時代の貨幣の単位。四歩で一両。
まぎれ
まちがい。
折ふし
時節。そのときのめぐりあわせ。
解説

「折ふしわるし」は、ちょうど一両がなくなったときに一両を持ち合わせていた、というめぐりあわせの悪さ。

原文
つねづね副語り合はせサ下二連用たる存続連体よしみに格助理由は係助強調、生害しやうがいに格助対象およびバ四連用し過去連体あとにて格助時間、御尋ねナ下二連用あそばし補・サ四連用尊→一座の客、かばねの格助体修恥を格助対象、せめて副は係助強調頼むマ四終止。」と格助引用申しサ四連用謙→一座の客も係助強調あへハ下二未然ず打消連用、

現代語訳ふだん親しく語り合ってきたよしみで、(私が)自害した後に(事実を)お調べになって、死後の恥だけはせめて(晴らしてくれるよう)頼む。」と言い終わらないうちに、

よしみ
親しいつきあい。
生害(しやうがい)
自害。ここでは切腹。
かばねの恥
死後まで残る恥。
申しもあへず
言い終わらないうちに。
解説

「御尋ねあそばし」は、自分の死後、唐物屋十左衛門に、本当に小柄を一両二歩で買ったかどうかを尋ねて、小判の出どころを確かめてほしいということ。

「あそばし」は尊敬の補助動詞。三人目の男から一座の客への敬意。

出てきた小判

原文
革柄かはづかに格助対象手を格助対象掛くるカ下二連体時、「小判は係助提示これ代名に格助場所ありラ変終止。」と格助引用、丸行灯まるあんどんの格助体修影より格助起点、投げいだせサ四已然ば接助順接確定、

現代語訳刀の革柄に手をかけたその時、「小判はここにある。」と言って、丸行灯の陰から(だれかが小判を)投げ出したので、

革柄(かはづか)
皮でおおい糸で巻いた刀の柄。
丸行灯(まるあんどん)
丸い形の行灯(灯火の道具)。
解説

「投げいだせば」の主語は示されていない。一座の客のだれかが、行灯の陰から小判を投げ出した。

原文
「さては接。」と格助引用事を格助対象静めマ下二連用、「ものに格助対象は係助提示、念を格助対象入れラ下二連用たる存続連体が格助主格よいク終止。」と格助引用言ふハ四連体時、

現代語訳「それでは(見つかったのか)。」と騒ぎをおさめ、「何事も、念を入れて調べるのがよい。」と言っているときに、

さては
それでは。(予想していたことが確かになったときに言う語)
事を静む
騒ぎをおさめる。
原文
内証ないしようより格助起点、内儀声を格助対象立てタ下二連用て接助単純接続、「小判は係助提示こ代名の格助体修方へ格助方向まゐつラ四連用・音謙→客たちた完了終止。」と格助引用、重箱ぢゆうばこの格助体修蓋に格助対象つけカ下二連用て接助単純接続、座敷へ格助方向いださサ四未然れ尊敬連用尊→内儀ける過去連体。

現代語訳台所から、内儀が声をあげて、「小判はこちらへ来ておりました。」と言って、重箱の蓋にくっつけたまま、座敷へお出しになった。

内証
家の奥。ここでは台所。
解説

「この方」は、内儀のいる内証(台所)のこと。

「まゐつ」は「まゐる」の促音便。

原文
これ代名は係助提示宵よひに格助時間、山の芋の格助体修、煮しめものを格助対象入れラ下二連用て接助単純接続いださサ四未然れ尊敬連用尊→内儀し過去連体が接助単純接続、そ代名の格助体修湯気ゆげにて格助理由、取りつきカ四連用ける過去連体か係助疑問。さ副も係助強調あるラ変連体べし推量終止。

現代語訳これは宵のうちに、山芋の煮しめを入れて(座敷に)お出しになった重箱で、その湯気で(蓋に小判が)くっついたのだろうか。そういうことも起こるだろう。

宵(よひ)
日が暮れてまもないころ。
解説

重箱の蓋に小判がついていたのは、宵に山芋の煮しめを入れて出した重箱の湯気で、小判が蓋にくっついたから、と語り手が推測している。

原文
これ代名で格助状態は係助提示小判十一両に格助結果なりラ四連用ける過去連体。いづれ代名も係助強調申さサ四未然謙→内助れ尊敬連用尊→客たちし過去連体は係助提示、「こ代名の格助体修金子、ひたもの副数多くク連用なるラ四連体こと、めでたしク終止。」と格助引用言ふハ四終止。

現代語訳こうなると小判は十一両になってしまった。一座の人々が申されたことには、「この小判が、ひたすら数を増やしていくのは、めでたい。」と言う。

ひたもの
ひたすら。
解説

行灯の陰から出た一両と、重箱の蓋についていた一両で、九両に二両が加わり、十一両になってしまった。

余った一両の始末

原文
亭主申すサ四連体謙→客たちは係助提示、「九両の格助体修小判、十両の格助体修詮議せんぎするサ変連体に格助時間、十一両に格助結果なるラ四連体こと、座中金子を格助対象持ち合はせサ下二未然られ尊敬連用尊→客たち、

現代語訳亭主の申すことには、「九両だった小判を十両と思って詮議しているうちに、十一両になったのは、ご一座の中に小判をお持ちの方がいて、

詮議す
調べる。取り調べる。
解説

内助は、もとは九両だったのを十両と思って調べていたと考えている。

原文
最前さいぜんの格助体修難儀を格助対象、救はハ四未然ん意志連体ために格助理由、御いだしありラ変連用し過去連体は係助提示疑ひなしク終止。こ代名の格助体修一両我代名が格助体修方に格助対象、納むマ下二終止べき当然連体用なしク終止。御主おぬしへ格助方向返しサ四連用たし希望終止。」と格助引用聞くカ四連体に接助逆接確定、

現代語訳先ほどの難儀を救おうとして、お出しになったことは疑いない。この一両を私の手もとに収めるいわれはない。持ち主へお返ししたい。」と尋ねたが、

最前
先ほど。
用
いわれ。必要。
御主(おぬし)
持ち主。
解説

「最前の難儀」は、たまたま一両を持っていた客が、疑われて自害しようとしたこと。

「御主」は、余った一両の持ち主(行灯の陰から一両を投げ出した客)。

原文
たれ代名返事の格助体修しても係助強調なくク連用、一座異な連体ものに格助結果なりラ四連用て接助単純接続、夜更け鶏よふけどりも係助強調、鳴くカ四連体時なれ断定已然ども接助逆接確定、おのおの立ちかねナ下二未然られ尊敬連用尊→客たちし過去連体に接助順接確定、

現代語訳だれ一人返事をする者もなく、一座は妙な具合になって、夜更けの一番鶏も鳴く時刻になったけれども、皆は立ち去りかねていらっしゃったので、

異なもの
変な具合。
夜更け鶏
夜中に鳴く一番鶏。午前二時ごろに鳴くとされた。
解説

名乗り出れば、自害しようとした男に恩を着せることになり、また一両を惜しんで初めは黙っていたようにも見えてしまう。そのため、だれも返事をしなかったと考えられる。

原文
「こ代名の格助体修うへは係助提示亭主が格助体修、所存しよぞんの格助体修通りに格助結果あそばさサ四未然尊→客たちれ尊敬連用尊→客たちて接助単純接続たまはれ補・ラ四命令尊→客たち。」と格助引用、願ひハ四連用し過去連体に接助順接確定、「とかく副あるじの格助体修、心まかせに格助結果。」と格助引用、申さサ四未然謙→内助れ尊敬連用尊→客たちけれ過去已然ば接助順接確定、

現代語訳(内助が)「こうなった上は、亭主である私の考えどおりになさってください。」と願ったところ、(客たちが)「ともかくご主人のお心のままに。」と申されたので、

所存
考え。
心まかせ
心のまま。
解説

「このうへは〜あそばされてたまはれ」は、内助(亭主)の言葉。「亭主」は内助が自分のことを言っている。

原文
か代名の格助体修小判を格助対象一升枡いつしようますに格助対象入れラ下二連用て接助単純接続、庭の格助体修手水鉢てうづばちの格助体修上に格助場所置きカ四連用て接助単純接続、「どなた代名に断定連用て接助単純接続も係助強調、こ代名の格助体修金子の格助体修主、取らラ四未然せ尊敬未然尊→客たちられ尊敬連用尊→客たちて接助単純接続、御帰りラ四連用たまはれ補・ラ四命令尊→客たち。」と格助引用、

現代語訳例の小判を一升枡に入れ、庭の手水鉢の上に置いて、「どなたでも、この小判の持ち主の方は、お取りになってお帰りください。」と言って、

一升枡(いつしようます)
一升入りの枡。
手水鉢(てうづばち)
手を洗う水を入れておく鉢。
原文
御客一人づつ、立たタ四未然し使役連用まし丁寧連用丁→読者て接助単純接続、一度一度に格助時間戸を格助対象さしこめマ下二連用て接助単純接続、七人を格助対象七たびに格助状態いだしサ四連用て接助単純接続、

現代語訳お客を一人ずつお立たせして、そのたびごとに戸を固く閉め、七人を七回に分けて帰して、

さしこむ
戸を固く閉める。
解説

一人ずつ帰し、そのつど戸を閉めたのは、どの客が小判を持ち帰ったのか、だれにもわからないようにするため。持ち主に名乗り出させずに、一両を返そうとした。

原文
そ代名の格助体修後内助は係助提示、手燭てしよくともしサ四連用て接助単純接続見るマ上一連体に接助単純接続、たれ代名と格助引用も係助強調知れラ下二未然ず打消連用、取つラ四連用て接助単純接続帰りラ四連用ぬ完了終止。

現代語訳そうしてから内助が手燭をともして(枡を)見ると、だれとも知れないが、(小判は)持ち帰られていた。

手燭(てしよく)
柄のついたろうそく立て。

作者の感想

原文
あるじ即座そくざの格助体修分別ふんべつ、座なれラ下二連用たる存続連体客の格助体修しこなし、かれこれ代名武士の格助体修つきあひ、格別かくべつぞ係助強調かし終助念押し。

現代語訳主人のとっさの機転、場慣れした客の振る舞い、何かにつけて武士のつきあいというものは、格別なものであるよ。

分別
判断。考え。「即座の分別」は、とっさの機転。
座なる
座に慣れる。場慣れする。
しこなし
振る舞い。
解説

この一文が作者の感想。主人のとっさの判断、客たちの振る舞いなど、貧しくても武士としての誇りと義理を重んじ、たがいに相手をかばい合う武士のつきあいを「格別ぞかし(格別なものだ)」と言っている。

『西鶴諸国ばなし』の前半:大晦日は合はぬ算用①

テスト予想問題

A 読み・語句

  1. 次の語の読みを現代仮名遣いで答えよ。
    ①上座
    ②渋面
    ③生害
    ④丸行灯
    ⑤内証
    ⑥手水鉢

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    ①じょうざ
    ②じゅうめん
    ③しょうがい
    ④まるあんどん
    ⑤ないしょう
    ⑥ちょうずばち

  2. 次の語の本文中での意味を答えよ。
    ①めいよ
    ②因果
    ③あさましき
    ④折ふし
    ⑤異なもの
    ⑥しこなし

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    ①奇妙な・不思議な
    ②身の不運
    ③落ちぶれた・みじめな
    ④時節・めぐりあわせ
    ⑤変な具合
    ⑥振る舞い

B 文法

  1. 次の助動詞の意味を答えよ。
    ①さる方へ払ひしに の「し」
    ②私持ち来たりたる の「たる」
    ③おのおの立ちかねられしに の「られ」
    ④取らせられて の「せ」

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    ①過去
    ②存続
    ③尊敬
    ④尊敬

  2. 「金子一両持ち合はすこそ、因果なれ」について、①ここに用いられている係り結びを説明せよ。②現代語訳せよ。

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    ①係助詞「こそ」を受けて、断定の助動詞「なり」が已然形「なれ」で結んでいる。
    ②小判一両を持ち合わせていることこそが、身の不運だ。

  3. 「小判一両持つまじきものにもあらず」について、①「まじき」の意味と活用形を答えよ。②現代語訳せよ。

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    ①打消当然・連体形
    ②小判一両を持っているはずがないというものでもない。(持っていてもおかしくはない。)

C 現代語訳・内容

  1. 内助が「そのうち一両は、さる方へ払ひしに、拙者の覚え違へ。」と言ったのはなぜか。説明せよ。

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    客に疑いがかかって、せっかくの酒宴が気まずいものになるのを防ぐため。

  2. 三人目の男が「一命を捨つる」と言ったのはなぜか。説明せよ。

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    一両がなくなったときにたまたま一両を持ち合わせていたため、盗んだと疑われる立場になり、その恥を死んで晴らすしかないと考えたから。

  3. 「生害におよびしあとにて、御尋ねあそばし」とあるが、男はだれに何を尋ねてほしいと頼んでいるのか。

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    唐物屋十左衛門に、自分が本当に徳乗の小柄を一両二歩で売ったのかどうかを尋ねて、小判の出どころを確かめてほしいと頼んでいる。

  4. 「小判はこの方へまゐつた。」について、①「この方」とはどこか。本文中の語で答えよ。②その小判は、なぜそこにあったと考えられているか。

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    ①内証(台所)
    ②宵に山芋の煮しめを入れて出した重箱の湯気で、小判が蓋にくっついたから。

  5. 「最前の難儀」「御主」とは、それぞれ何(だれ)のことか。

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    最前の難儀=一両を持ち合わせていた客が、疑われて自害しようとしたこと。 御主=余った一両の持ち主。

  6. 「このうへは亭主が、所存の通りにあそばされてたまはれ。」はだれの言葉か。また、現代語訳せよ。

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    原田内助の言葉。 訳=こうなった上は、亭主である私の考えどおりになさってください。

  7. 内助が、余った一両を一升枡に入れて手水鉢の上に置き、客を一人ずつ帰して、そのたびに戸を閉めたのはなぜか。

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    だれが小判を取って帰ったのかわからないようにして、持ち主に名乗り出させないまま一両を返すため。

  8. 「あるじ即座の分別、座なれたる客のしこなし、かれこれ武士のつきあひ、格別ぞかし。」について、①「即座の分別」とは、内助のどのような判断か。具体的に二つ答えよ。②作者は武士のつきあいのどのような点を「格別」だと言っているのか。

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    ①小判が足りなくなったとき、とっさに自分の覚え違いだと言ってその場をおさめようとしたこと。小判が余ったとき、持ち主がだれかわからないように返す方法を考えたこと。
    ②貧しくても武士としての誇りと義理を重んじ、たがいに相手を疑ったり詮索したりせず、かばい合うところ。