『玉勝間』師の説になづまざること 現代語訳・品詞分解・解説|テスト予想問題付き

目次
  1. 原文の読み方
  2. 現代語訳・品詞分解・解説
  3. 師の教え
  4. 学問は詳しくなっていくもの
  5. 師の説の誤りを言うこと
  6. 宣長の決意
  7. テスト予想問題

『玉勝間(たまかつま)』「師の説になづまざること」の現代語訳・品詞分解・解説です。教科書によっては「師の説と違へること多く」という題で載っています。

国学者の本居宣長が、自分は師の説と違うことを言い、師の説の誤りを指摘することも多いが、それこそが師の教えなのだ、と述べる文章です。学問は多くの人の手を経て詳しくなっていくものだという考えと、「これ」「こ」「そ」などの指示語が何を指すかに注意して読みましょう。

原文の読み方

原文の一語一語に、活用や助動詞・助詞の意味を示しています。緑の下線は敬語です。下のボタンで、用言・助動詞・助詞・敬語の種類と向きを別々に出したり消したりできます。ラベルを押すと古典文法一覧の説明に飛びます。

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現代語訳・品詞分解・解説

師の教え

原文
おのれ代名古典いにしへぶみを格助対象説くカ四連体に格助時間、師の格助体修説と格助比較違たがへハ四已然る存続連体こと多くク連用、

現代語訳私が古い書物を解き明かすときに、師の説と違っていることが多く、

おのれ
私。自分。
古典
古い書物。ここでは日本の古典。
違ふ(たがふ)
食い違う。
原文
師の格助体修説の格助主格わろきク連体ことあるラ変連体を格助対象ば係助強意、わきまへハ下二連用言ふハ四連体ことも係助添加多かるク連体を格助対象、

現代語訳師の説によくない点があるのを、見分けて指摘することも多いのを、

わろし
よくない。
わきまふ
見分ける。是非をはっきりさせる。
原文
いと副あるラ変連体まじき打消当然連体ことと格助引用思ふハ四連体人多かク連体・音めれ婉曲已然ど接助逆接確定、

現代語訳とんでもないことだと思う人が多いようだが、

あるまじきこと
あってはならないこと。
解説

世間の人が「あってはならない」と思っているのは、宣長が師の説と違う説を立て、師の説の誤りを指摘すること。弟子が師の説を批判するのは失礼だ、と考えるから。

「多かめれ」は「多かるめれ」→「多かんめれ」の「ん」を書かない形。

原文
これ代名すなはち接わ代名が格助体修師の格助体修心に断定連用て接助単純接続、常にナリ連用教へハ下二未然られ尊敬連用尊→師(賀茂真淵)し過去連体は係助区別、

現代語訳これはつまり、わが師の考え方そのものであって、師が常々おっしゃって教えてくださったのは、

すなはち
つまり。とりもなおさず。
解説

「これ」は、前の「師の説のわろきことあるをば、わきまへ言ふこと」。

「わが師」は賀茂真淵。「られ」は尊敬で、作者(宣長)から師への敬意。

原文
「後のちに格助時間よきク連体考かんがへの格助主格出で来いできカ変連用たら完了未然ん仮定連体に格助時間は係助区別、必ず副しも副助強意師の格助体修説に格助比較違たがふハ四終止とて格助引用、な副はばかりラ四連用そ終助禁止。」と格助引用なん係助強意教へハ下二未然られ尊敬連用尊→師(賀茂真淵)し過去連体。

現代語訳「後になって、よい考えが出てきたとしたら、そのときは師の説と違うからといって、決して遠慮してはならない」とお教えになった。

はばかる
遠慮する。
解説

「な〜そ」は「〜してはいけない」という禁止。

遠慮するなと言っているのは、よい考えが出てきたときに、師の説と違う自分の説を述べること(師の説の誤りを指摘すること)。

「なん」の結びは「し」(連体形)。

原文
こ代名は係助区別いと副尊たふときク連体教へに断定連用て接助単純接続、わ代名が格助体修師の格助主格、よに副すぐれラ下二連用給たまへ補・ハ四已然尊→師(賀茂真淵)る存続連体一つなり断定終止。

現代語訳これはまことに尊い教えで、私の師が、たいそうすぐれていらっしゃる点の一つである。

よに
たいそう。非常に。
解説

「こ」は、師の教えの言葉「後によき考への…なはばかりそ」。

「師の」の「の」は主格(「師が」)。師に対する宣長の尊敬の気持ちが表れている。

学問は詳しくなっていくもの

原文
おほかた副いにしへを格助対象考かんがふるハ下二連体こと、さらに副一人ひとり二人ふたりの格助体修力もて、ことごとく副明らめ尽あきらめつくすサ四終止べく可能連用も係助強意あら補・ラ変未然ず打消終止。

現代語訳だいたい昔のことを研究するのは、とても一人や二人の力で、すっかり明らかにしきれるものではない。

おほかた
だいたい。総じて。
明らめ尽くす
すっかり明らかにする。
解説

「さらに〜ず」で「決して〜ない」。

原文
また接、よきク連体人の格助体修説なら断定未然ん婉曲連体からに接助逆接仮定、多くク連用の格助体修中に格助場所は係助区別、誤あやまりも係助添加などか副なからク未然ん推量連体。

現代語訳また、すぐれた学者の説であっても、数多い説のうちには、誤りがないなどということがどうしてあろうか、いや、きっとある。

よき人
すぐれた学者。
解説

「ならんからに」は「〜であるとしても」(逆接の仮定)。

「などか〜ん」は反語。「どうして誤りがないことがあろうか、いや、ある」。

現代語訳必ずよくない点もまじらずにはいられない。

解説

「混じらで」(混じらないで)+「えあらず」(いられない)で、二重否定。「必ずまじる」ということ。

原文
そ代名の格助体修おの代名が格助体修心に格助場所は係助区別、「今は係助区別いにしへの格助体修意こころことごとく副明らかなりナリ終止、

現代語訳その学者本人の心の中では、「今では昔の精神は残らず明らかだ、

意(こころ)
精神。考え方。
解説

「おの」は、自分の説を立てた学者本人(前の「よき人」)。

学者が心の中で思っている内容は「今はいにしへの意…あるべくもあらず」。

原文
これ代名を格助対象おきカ四連用て接助単純接続は係助区別、あるラ変連体べく当然連用も係助強意あら補・ラ変未然ず打消終止。」と格助引用思ひ定おもひさだめマ下二連用たる存続連体ことも係助添加、

現代語訳これをさしおいて(ほかに正しい説が)あるはずがない」と思い込んでいることでも、

おく
さしおく。除く。
思ひ定む
確信する。
解説

「これ」は、その学者自身の説。

原文
思ひのほかにナリ連用、また副人の格助体修異ことなるナリ連体よきク連体考かんがへも係助添加出で来いでくるカ変連体わざなり断定終止。

現代語訳意外にも、また別の人の、それとは違うよい考えも出てくるものである。

思ひのほかなり
意外だ。
また人
ほかの人。別の人。
わざ
こと。もの。
原文
あまた副の格助体修手を格助対象経ふるハ下二連体まにまに副、さきざきの格助体修考かんがへの格助体修上うへを格助対象、なほ副よくク連用考かんがへきはむるマ下二連体からに接助順接確定、

現代語訳多くの人の研究を経るにつれて、以前の考えのうえに、さらによく考えを深めていくので、

まにまに
〜につれて。
さきざき
以前。
解説

「あまたの手を経る」は、多くの学者が研究を重ねること。

原文
次々に副詳くはしくシク連用なりもてゆくカ四連体わざなれ断定已然ば接助順接確定、師の格助体修説なり断定終止とて格助引用、必ず副なづみマ四連用守るラ四終止べき当然連体に断定連用も係助強意あら補・ラ変未然ず打消終止。

現代語訳順を追ってより詳しくなっていくものだから、師の説だからといって、必ずしもこだわって守るべきものというわけでもない。

なりもてゆく
だんだん〜になっていく。
なづむ
こだわる。
解説

師の説にこだわらなくてよい理由:古い時代の研究は一人二人で明らかにしきれず、すぐれた学者の説にも誤りがあり、多くの人の研究を経て次第に詳しくなっていくものだから。

原文
よきク連体あしきシク連体を格助対象言はハ四未然ず打消連用、ひたぶるにナリ連用古きク連体を格助対象守るラ四連体は係助区別、学問がくもんの格助体修道に格助場所は係助区別言いふかひなきク連体わざなり断定終止。

現代語訳その説がよいか悪いかを考えもせず、ただひたすら古い説を守り続けるのは、学問の道ではつまらないやり方である。

ひたぶるなり
ひたすらだ。
言ふかひなし
つまらない。取るに足りない。
解説

「言ふかひなきわざ」と言っているのは、よいか悪いかを問わず、ひたすら古い説を守ること。

師の説の誤りを言うこと

原文
また接、おの代名が格助体修師など副助婉曲の格助体修わろきク連体ことを格助対象言ひ表いひあらはすサ四連体は係助区別、いと副も係助強意畏かしこくク連用は係助区別あれ補・ラ変已然ど接助逆接確定、

現代語訳また、自分の師などのよくないところをはっきり指摘するのは、まことに恐れ多いことではあるけれども、

言ひ表す
はっきりと言う。公にする。
畏し(かしこし)
おそれ多い。
原文
それ代名も係助添加言はハ四未然ざれ打消已然ば接助順接確定、世の格助体修学者そ代名の格助体修説に格助原因惑まどひハ四連用て接助単純接続、長くク連用よきク連体を格助対象知るラ四連体期ごなしク終止。

現代語訳しかしそれを言わずにおけば、世間の学者はその説に惑わされて、いつまでたっても正しい説を知る機会がない。

期(ご)
時。機会。
解説

おそれ多くても師の説の誤りを言うべき理由:言わないと、世の学者がその誤った説に迷わされ、いつまでも正しい説を知ることができないから。

原文
師の格助体修説なり断定終止と格助引用しサ変連用て接助単純接続、わろきク連体を格助対象知りラ四連用ながら接助逆接確定、言はハ四未然ず打消連用包み隠つつみかくしサ四連用て接助単純接続、よさまにナリ連用繕つくろひをらラ変未然ん婉曲連体は係助区別、

現代語訳師の説だからといって、よくないと知りながら、言わずに包み隠して、うわべをよいように取りつくろっているようなのは、

よさまなり
よいようだ。体裁がよい。
繕ひをり
取りつくろっている。
解説

師の説の誤りを知っていながら、言わずに隠し、うわべをよく見せようとすること。

原文
ただ副師を格助対象のみ副助限定尊たふとみマ四連用て接助単純接続、道を格助対象ば係助強意思はハ四未然ざる打消連体なり断定終止。

現代語訳ただ師だけを大事にして、学問の道のことを考えていないのである。

解説

「道」は学問の道。誤りを隠すのは、師という人だけを大事にして、学問の進歩を考えない態度だということ。

宣長の決意

原文
宣長のりながは係助区別、道を格助対象尊たふとみマ四連用、いにしへを格助対象思ひハ四連用て接助単純接続、ひたぶるにナリ連用道の格助主格明らかならナリ未然ん婉曲連体ことを格助対象思ひハ四連用、

現代語訳私宣長は、学問の道を尊び、昔のことを大切に思って、ひたすら道が明らかになることを願い、

解説

作者が自分の名を出して「宣長は」と言い、自分の考えをはっきり示している。

原文
いにしへの格助体修意こころの格助主格明らかならナリ未然ん婉曲連体ことを格助対象旨むねと格助引用思ふハ四連体が格助体修ゆゑに格助原因、

現代語訳昔の人の精神が明らかになることを何より大切だと思うので、

旨(むね)
いちばん大切なこと。
解説

宣長がいちばん大切にしているのは、昔の精神(いにしへの意)が明らかになること。

原文
わたくしに格助資格師を格助対象尊たふとむマ四連体理ことわりの格助主格欠かけカ下二未然ん婉曲連体ことを格助対象ば係助強意、え副しも副助強意顧かへりみマ上一未然ざる打消連体ことあるラ変連体を格助対象、

現代語訳個人として師を敬うべき道理に欠けるようなことになっても、それをどうしても気にかけてはいられない場合があるのを、

わたくし
個人的なこと。
理(ことわり)
道理。
顧みる
気にかける。
解説

「え〜ず」で不可能。「しも」は強意。「どうしても気にかけていられない」。

原文
なほ副わろしク終止と格助引用、そしらラ四未然ん婉曲連体人は係助区別そしりラ四連用てよ強意命令。そ代名は係助区別せんかたなしク終止。

現代語訳それでもやはりよくないと言って非難したい人は、非難するがよい。それはしかたのないことだ。

そしる
非難する。
せんかたなし
どうしようもない。しかたがない。
解説

「そしりてよ」の「てよ」は「つ」の命令形。非難したい人は非難すればよい、という学問の道を貫こうとする強い決意が表れている。

「そ」は、師を尊ぶ道理に欠けるとして、宣長が人から非難されること。

原文
我われ代名は係助区別人に格助受身の相手そしらラ四未然れ受身未然じ打消意志終止、よきク連体人に格助変化ならラ四未然ん意志終止とて格助引用、道を格助対象曲まげガ下二連用、いにしへの格助体修意こころを格助対象曲まげガ下二連用て接助単純接続、

現代語訳私は、人に非難されないように、よい人になろうとして、学問の道を曲げ、昔の精神をゆがめて、

解説

ここの「よき人」は、人から非難されないようにふるまう好人物のこと(前の「よき人」=すぐれた学者とは違う)。

原文
さて副あるラ変連体わざは係助区別え副せサ変未然ず打消連用なん係助強意。

現代語訳そのままで済ませることは、とてもできないのである。

さてあり
そのままでいる。
解説

「さてあるわざ」は、学問の道や昔の精神を曲げたまま、そのままでいること。

「なん」のあとには「ある」などの結びが省略されている。

原文
これ代名すなはち接わ代名が格助体修師の格助体修心なれ断定已然ば接助順接確定、かへりて副は係助区別師を格助対象尊たふとむマ四連体に断定連用も係助強意ある補・ラ変連体べく当然連用や係助疑問。そ代名は係助区別いかに副も係助強意あれラ変命令。

現代語訳これこそが私の師の考えであるから、かえって師を尊ぶことにもなるのではないか。それはどちらでもかまわない。

かへりて
かえって。逆に。
いかにもあれ
どうであってもよい。
解説

「これ」は、師の説の誤りであっても正し、学問の道や昔の精神を曲げないこと。

師の説の誤りを正すことがかえって師を尊ぶことになるのは、「よい考えが出たら師の説と違っても遠慮するな」という師の教えに従うことになるから。

「や」のあとには「あらん」などの結びが省略されている。

テスト予想問題

A 読み・語句

  1. 次の語の読みを現代仮名遣いで答えよ。
    ①古典(おのれ古典を説くに)
    ②意(いにしへの意)
    ③畏く
    ④期
    ⑤旨
    ⑥理

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    ①いにしえぶみ
    ②こころ
    ③かしこく
    ④ご
    ⑤むね
    ⑥ことわり

  2. 次の語の本文中での意味を答えよ。
    ①わきまへ
    ②おほかた
    ③なづみ
    ④ひたぶるに
    ⑤言ふかひなき
    ⑥よさまに
    ⑦えしも顧みざる
    ⑧せんかたなし

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    ①見分けて(是非をはっきりさせて)
    ②だいたい・総じて
    ③こだわって
    ④ひたすらに
    ⑤つまらない・取るに足りない
    ⑥体裁よく・よいように
    ⑦どうしても気にかけていられない
    ⑧どうしようもない・しかたがない

B 文法

  1. 「思ふ人多かめれど」の「多かめれ」を、単語に分けて文法的に説明せよ。

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    多か=ク活用の形容詞「多し」の連体形「多かる」が撥音便「多かん」になり、「ん」が書かれていない形。めれ=婉曲の助動詞「めり」の已然形。

  2. 次の助動詞の意味と活用形を答えよ。
    ①「後によき考への出で来たらんには」の「ん」
    ②「我は人にそしられじ」の「れ」と「じ」
    ③「そしらん人はそしりてよ」の「てよ」
    ④「よき人にならんとて」の「ん」

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    ①仮定・連体形
    ②れ=受身・未然形、じ=打消意志・終止形
    ③強意(完了の「つ」)・命令形
    ④意志・終止形

  3. 次の文の末尾には結びの語が省略されている。省略されている語を補い、全体を現代語訳せよ。
    ①さてあるわざはえせずなん。
    ②かへりては師を尊むにもあるべくや。

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    ①補う語=ある。訳=そのままでいるなどということは、とてもできないのだ。
    ②補う語=あらん。訳=かえって師を尊ぶことにもなるのではないだろうか。

C 現代語訳・内容

  1. 「いとあるまじきことと思ふ人多かめれど、これすなはちわが師の心にて」について、①世間の人は何を「あるまじきこと」と思っているのか。②「これ」の指す内容を本文中から抜き出せ。

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    ①弟子である宣長が、師の説と違う説を述べ、師の説の誤りを指摘すること。
    ②「師の説のわろきことあるをば、わきまへ言ふこと」

  2. 「必ずしも師の説に違ふとて、なはばかりそ」を、何を遠慮するなというのかを補って現代語訳せよ。

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    必ずしも師の説と違うからといって、(よい考えが出てきたときに、自分の説を述べて師の説の誤りを指摘することを)遠慮してはならない。

  3. 「よき人の説ならんからに、多くの中には、誤りもなどかなからん」を現代語訳せよ。

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    たとえすぐれた学者の説だとしても、多くある説のうちには、誤りがないなどということがどうしてあろうか、いや、必ずある。

  4. 「師の説なりとて、必ずなづみ守るべきにもあらず」と筆者が言うのはなぜか。筆者が学問をどのようなものと考えているかにふれて説明せよ。

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    昔のことの研究は一人二人の力では明らかにしきれず、すぐれた学者の説にも誤りがある。学問は多くの人が研究を重ね、前の考えをさらに考え深めることで、次第に詳しくなっていくものだと考えているから。

  5. 「ただ師をのみ尊みて、道をば思はざるなり」とあるが、①どのような行為についてこう言っているのか。②その行為をすると、どのようなことになると筆者は考えているか。

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    ①師の説の誤りを知りながら、言わずに隠して、体裁よく取りつくろっていること。
    ②世の学者がその誤った説に迷わされ、いつまでも正しい説を知ることができなくなる。

  6. 「そしらん人はそしりてよ。そはせんかたなし」について、①「そ」の指す内容を説明せよ。②ここには筆者のどんな思いが込められているか。

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    ①学問の道を優先するあまり、宣長には個人として師を尊ぶ道理が欠けていると、人から非難されること。
    ②人に非難されてもかまわない、学問の道を曲げずに貫こうという強い決意。

  7. 「これすなはちわが師の心なれば、かへりては師を尊むにもあるべくや」とあるが、師の説の誤りを正すことが、なぜ「師を尊む」ことになるのか。説明せよ。

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    師自身が「よい考えが出てきたら、師の説と違っても遠慮するな」と教えていたので、師の説の誤りを正すことは、その師の教えに従うことになるから。