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『平家物語』忠度の都落ち③現代語訳・解説
『平家物語』
三位これを開けて見て、「かかる忘れ形見を賜りおき() ず。 三位殿はこれを開けて見て、「このような忘れ形見をいただいた上は、決しておろそかにはお思い申しません。お疑いなさいますな。 ・賜る…いただく(「受く」の謙譲語) ※「お与えになる(尊敬... -
『平家物語』忠度の都落ち②現代語訳・解説
『平家物語』
薩摩守のたまひ)ず。 薩摩守がおっしゃったことには、「長年の間、和歌をお教えいただいて後は、大切なことにと思い申しておりますけれども、この二、三年は、京都の騒ぎや国々の反乱、すべて平家の身の上のことでございますので、(歌道を)おろそか... -
『平家物語』忠度の都落ち①現代語訳・解説
『平家物語』
源義仲は平家を越中(富山県)の倶利伽羅谷で破り、都へ攻め上る。平家は都を捨てて西へ向かった。 薩摩守忠度は、いづくよりや(ば、門戸を閉ぢて開かず。 薩摩守忠度は、どこから帰ってこられたのだろうか、侍五騎と童一人、わが身と合わせて七騎で... -
『土佐日記』門出・馬のはなむけ②現代語訳・解説
『土佐日記』
二十三日。八木のやすのりといふ人あり。この人、国に必ずしも言ひ使ふ者に()。 二十三日。八木のやすのりという人がいる。この人は、国司の役所で必ずしも召し使ったりする人でもないそうである。 〇ざ なり=ざんなり←ざるなり 「ざ」…打消の助動詞「ず... -
『和泉式部日記』夢よりもはかなき世の中を・薫る香に③現代語訳・テスト対策
『和泉式部日記』
まだ端におはしましに、 (帥の宮は)まだ縁先にいらっしゃる時に、この童が、物陰から合図をする様子をするのを見つけなさって、「どうだったか。」とお尋ねになると、 御文をさし出でたれば、御覧じて、 同じ枝に鳴きつつをりし時鳥声は変はらぬも... -
『和泉式部日記』夢よりもはかなき世の中を・薫る香に②現代語訳・テスト対策
『和泉式部日記』
その宮は、いとあてにけけしうおはします()は。昔のやうには、えしもあらじ。」など言へば、 その帥の宮様は、たいそう気品があってよそよそしくいらっしゃるそうですね。昔(亡き為尊親王)のように(気楽にお仕えすることは)できないでしょう。」などと... -
『和泉式部日記』夢よりもはかなき世の中を・薫る香に①現代語訳・テスト対策
『和泉式部日記』
夢よりもはかなき世の中を、嘆きわびつつ明かし暮らすほどに、四月十余日にもなりぬれば、木の下暗がりもてゆく。 夢よりもはかなかった(亡き為尊親王との)男女の仲を、嘆き悲しみながら日々を過ごすうちに、陰暦四月十日余りにもなったので、木の下はだ... -
『大鏡』花山天皇の出家③現代語訳・テスト対策
『大鏡』
花山寺におはしまし()てのちにぞ、 (花山天皇が)花山寺にご到着なさって、御髪をお剃りになった後に ・御髪下ろす…髪を剃って出家なさる。 粟田殿は、「まかり出で()ければ、 粟田殿は「退出いたしまして、父の大臣(兼家)にも、出家する前の変わらない... -
『大鏡』花山天皇の出家②現代語訳・テスト対策
『大鏡』
さやけき影をまばゆく思し召し()ほどに、 (帝は)明るい月の光を、まぶしくお思いになっているうちに、 ・さやけし…明るい。はっきりしている。 月の顔にむら雲のかかりて、少し暗がりゆきければ、「わが出家は成就するなり()て、 月にむら雲がかかって、... -
『大鏡』花山天皇の出家①現代語訳・テスト対策
『大鏡』
花山天皇がこっそりと宮中を抜け出し、花山寺で出家してしまう場面。 粟田殿(藤原道兼)は藤原兼家の三男。花山天皇が退位すると、次は兼家の娘の詮子の産んだ一条天皇となる。兼家は花山天皇を退位させ、一条天皇の摂政・関白となって権力を握ろうとして...