『伊勢物語』狩りの使ひ 現代語訳・品詞分解・解説|テスト予想問題付き

目次
  1. 原文の読み方
  2. 現代語訳・品詞分解・解説
  3. 斎宮のもてなし
  4. 一夜の逢瀬
  5. 翌朝の贈答歌
  6. 逢えない最後の夜
  7. 杯の皿の歌
  8. テスト予想問題

『伊勢物語(いせものがたり)』第六十九段「狩りの使ひ」の現代語訳・品詞分解・解説です。

狩りの使いとして伊勢の国へ来た男と、伊勢神宮に仕える斎宮とのひそかな恋の話です。夜中に女が男のもとを訪れますが、うち解けて語り合うこともなく帰ってしまいます。二人の贈答歌と、杯の皿に上の句・下の句を書き継いだ歌がよく問われます。

原文の読み方

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現代語訳・品詞分解・解説

斎宮のもてなし

原文
昔、男ありラ変連用けり過去終止。

現代語訳昔、ある男がいた。

原文
そ代名の格助体修男、伊勢の国いせのくにに格助場所狩りの格助体修使ひに格助資格行きカ四連用ける過去連体に格助時間、か代名の格助体修伊勢の格助体修斎宮さいぐうなり断定連用ける過去連体人の格助体修親、

現代語訳その男が、狩りの使いとなって伊勢の国へ出向いたとき、あの伊勢の斎宮であった人の親が、

狩りの使ひ
鷹狩りのために朝廷から諸国に遣わされる使い。
斎宮(さいぐう)
伊勢神宮に仕える未婚の皇女。
原文
「常つねの格助体修使ひより格助比較は係助区別、こ代名の格助体修人よくク連用いたはれラ四命令。」と格助引用言ひやれラ四已然り完了連用けれ過去已然ば接助順接確定、

現代語訳「いつもの使いよりも、この人を大切にもてなしなさい。」と(斎宮に)言い送ってあったので、

いたはる
大切にする。手厚くもてなす。
言ひやる
言い送る。
解説

「言ひやれりければ」は、斎宮の親が、斎宮に言い送ったということ。

原文
親の格助体修言ことなり断定連用けれ過去已然ば接助順接確定、いと副ねむごろにナリ連用いたはりラ四連用けり過去終止。

現代語訳(斎宮は)親の言いつけであったので、とても心をこめてもてなした。

ねむごろなり
心をこめている。丁寧だ。
解説

「いたはりけり」の主語は斎宮。親の言いつけなので、男を手厚くもてなしたのである。

原文
朝あしたに格助時間は係助区別狩りに格助目的出だし立てタ下二連用て接助単純接続やりラ四連用、夕ゆうさりは係助区別帰りラ四連用つつ接助反復、そこ代名に格助場所来こカ変未然させ使役連用けり過去終止。

現代語訳朝には狩りに(出かける支度をして)送り出し、夕方は(男が)帰ってくるたびに、自分の御殿に来させた。

朝(あした)
朝。
出だし立つ
送り出す。
夕さり
夕方。
解説

「そこ」は、斎宮のいる御殿のこと。

原文
かくて副、ねむごろにナリ連用いたつきカ四連用けり過去終止。

現代語訳このようにして、(斎宮は男を)心をこめて世話した。

いたつく
世話をする。
解説

「ねむごろにいたつきけり」は、斎宮が男を心をこめて世話したということ。

一夜の逢瀬

原文
二日ふつかと格助引用いふハ四連体夜、男、われて副、「逢はハ四未然む意志終止。」と格助引用言ふハ四終止。

現代語訳二日目の夜、男は、強引に「逢いたい。」と言う。

われて
強いて。無理に。
原文
女も係助添加はた副、いと副逢はハ四未然じ打消意志終止と格助引用も係助強意思へハ四已然ら存続未然ず打消終止。

現代語訳女もまた、どうしても逢うまいとも思っていない。

はた
また。
解説

「女」は斎宮のこと。「いと逢はじとも思へらず」は、決して逢うまいとも思っていない、ということ。

原文
されど接、人目しげけれク已然ば接助順接確定、え副逢はハ四未然ず打消終止。

現代語訳けれども、人の目が多くて、逢うことはできない。

え〜ず
〜できない。
解説

逢うことができないのは、人目が多いから。

原文
使ひざねと格助資格あるラ変連体人なれ断定已然ば接助順接確定、遠くク連用も係助強意宿さサ四未然ず打消終止。

現代語訳(男は)使いの中心である人なので、(斎宮の御殿から)遠い所にも泊めない。

使ひざね
使いの中心となる人。正使。
解説

男は正使なので、斎宮の御殿から遠い所には泊めなかった。そのため、次の文のように男の寝所は女の寝室の近くにあった。

原文
女の格助体修閨ねや近くク連用ありラ変連用けれ過去已然ば接助順接確定、女、人を格助対象静めマ下二連用て接助単純接続、子一ねひとつばかり副助程度に格助時間、男の格助体修もとに格助場所来きカ変連用たり完了連用けり過去終止。

現代語訳(男の寝所は)女の寝室の近くにあったので、女は、(周りの)人を寝静まらせて、午後十一時ごろに、男のところにやって来た。

閨(ねや)
寝室。
子一つ《ねひとつ》
午後十一時ごろ。
原文
男はた副、寝ねナ下二未然られ可能未然ざり打消連用けれ過去已然ば接助順接確定、外との格助体修方を格助対象見出だしサ四連用て接助単純接続臥ふせサ四已然る存続連体に接助単純接続、

現代語訳男もまた、眠れなかったので、外の方を眺めながら横になっていると、

見出だす
中から外を眺めやる。
解説

「男はた」の「はた」は、女が来たのと同じように、男もまた(眠れずにいた)ということ。

原文
月の格助主格おぼろなるナリ連体に格助場所、小さきク連体童わらわを格助対象先に格助場所立てタ下二連用て接助単純接続、人立てタ四已然り存続終止。

現代語訳月の光がおぼろにかすむなか、幼い召し使いを前に立たせて、だれかが立っている。

おぼろなり
ぼんやりかすんでいる。
童(わらわ)
召し使いの子ども。
解説

「人立てり」の「人」は、男のもとを訪れた女(斎宮)。

原文
男、いと副うれしくシク連用て接助単純接続、わ代名が格助体修寝ぬるナ下二連体所に格助場所率いワ上一連用て接助単純接続入りラ四連用て接助単純接続、子一ねひとつより格助起点丑三うしみつまで副助範囲あるラ変連体に接助逆接確定、

現代語訳男はたいそう喜んで、(女を)自分の寝所に連れて入り、午後十一時ごろから午前二時ごろまで共にいたが、

率(い)る
連れる。
丑三つ
午前二時ごろ。
解説

男がうれしかったのは、女が夜中に自分のもとへ来てくれたから。

原文
まだ副何事なにごとも係助強意語らはハ四未然ぬ打消連体に接助逆接確定帰りラ四連用に完了連用けり過去終止。

現代語訳まだ何も(うち解けて)語らい合わないうちに、(女は)帰っていってしまった。

語らふ
親しく話し合う。
原文
男、いと副悲しくシク連用て接助単純接続、寝ねナ下二未然ず打消連用なりラ四連用に完了連用けり過去終止。

現代語訳男は、とても悲しくて、そのまま寝ずに(夜を明かして)しまった。

解説

男が悲しくて眠れなかったのは、せっかく女が来てくれたのに、うち解けて語り合うこともないうちに帰ってしまったから。

翌朝の贈答歌

原文
つとめて、いぶかしけれシク已然ど接助逆接確定、わ代名が格助体修人を格助対象やるラ四終止べき当然連体に断定連用し副助強意あら補・ラ変未然ね打消已然ば接助順接確定、

現代語訳翌朝、(男は女のことが)気がかりだったが、自分の使いを(女のもとへ)送るわけにもいかないので、

つとめて
翌朝。
いぶかし
気がかりだ。
解説

男が「いぶかし」と思ったのは、女がわざわざ訪れながら、うち解けた話もしないまま去ってしまったから。

男のほうから使いを送るわけにはいかない立場なので、女からの便りを待つしかなかったのである。

原文
いと副心もとなくク連用て接助単純接続待ちをれラ変已然ば接助順接確定、明け離れラ下二連用て接助単純接続しばし副あるラ変連体に格助時間、女の格助体修もとより格助起点、詞ことばは係助区別なくク連用て接助単純接続、

現代語訳ひどくじれったい思いで待っていると、すっかり夜が明けて少したったころ、女のもとから、手紙の文面はなくて(歌だけが届いた)、

心もとなし
待ち遠しい。じれったい。
明け離る
夜がすっかり明ける。
詞(ことば)
手紙の文章。
解説

「詞はなくて」は、手紙の文章はなく、歌だけが送られてきたということ。

原文
君代名や係助疑問来こカ変未然し過去連体我代名や係助疑問行きカ四連用けむ過去推量連体思ほえヤ下二未然ず打消終止夢か係助疑問うつつか係助疑問寝ねナ下二連用て接助単純接続か係助疑問覚めマ下二連用て接助単純接続か係助疑問

現代語訳あなたが来たのでしょうか、私が行ったのでしょうか、よくわかりません。(昨夜のことは)夢だったのか現実だったのか、寝ていたのか目覚めていたのか。

うつつ
現実。
解説

女(斎宮)の歌。「君や来し」「我や行きけむ」は、どちらも「や〜連体形」の係り結び。

昨夜の逢瀬が、夢だったのか現実だったのかもわからないほど、心が乱れているという気持ちを詠んでいる。疑問の「や」「か」をくり返して、夢見心地の迷いを表している。

原文
男、いと副いたうク連用・音泣きカ四連用て接助単純接続詠めマ四已然る完了連体、

現代語訳男は、ひどく泣いて詠んだ(歌)、

いたう
ひどく。「いたく」のウ音便。
原文
かきくらすサ四連体心の格助体修闇に格助原因惑ひハ四連用に完了連用き過去終止夢うつつと格助引用は係助区別今宵こよい定めよマ下二命令

現代語訳悲しみで真っ暗になった心の闇のせいで、私も(分別を失い)迷ってしまいました。夢か現実かは、今夜(もう一度来て)はっきりさせてください。

かきくらす
(悲しみで心を)真っ暗にする。
解説

「今宵定めよ」は、夢か現実かは、今夜もう一度逢ってはっきりさせてほしい、つまり、今夜も逢いに来てほしいと誘っているのである。

原文
と格助引用詠みマ四連用て接助単純接続やりラ四連用て接助単純接続、狩りに格助目的出でダ下二連用ぬ完了終止。

現代語訳と詠んで(女に)送って、狩りに出かけた。

逢えない最後の夜

原文
野に格助場所歩ありけカ四已然ど接助逆接確定、心は係助区別そらにナリ連用て接助単純接続、今宵こよいだに副助限度人静めマ下二連用て接助単純接続、いと副疾とくク連用逢はハ四未然む意志終止と格助引用思ふハ四連体に接助単純接続、

現代語訳野を歩き回るが、心はうわの空で、せめて今夜だけでも(周りの)人を寝静まらせて、とても早く逢おうと思っていると、

心はそらなり
心がうわの空である。
だに
せめて〜だけでも。
疾し《とし》
早い。
解説

「心はそらにて」は、男が女のことばかり考えていて、狩りに身が入らない様子。

原文
国守くにのかみ、斎宮頭いつきのみやのかみかけカ下二連用たる存続連体、狩りの格助体修使ひありラ変終止と格助引用聞きカ四連用て接助単純接続、夜一夜よひとよ副酒飲みしサ変連用けれ過去已然ば接助順接確定、

現代語訳斎宮寮の長官を兼ねる伊勢の国守が、狩りの使いの来訪を耳にして、夜通し酒宴を開いたので、

国守(くにのかみ)
国の長官。ここでは伊勢の国守。
斎宮頭(いつきのみやのかみ)
斎宮に関する役所の長官。
かく
兼ねる。
夜一夜(よひとよ)
一晩中。
原文
もはら副逢ひごとも係助強意え副せサ変未然で接助打消接続、明けカ下二未然ば接助順接仮定尾張の国おわりのくにへ格助方向立ちタ四連用な強意未然む意志終止と格助引用すれサ変已然ば接助順接確定、

現代語訳まったく逢うこともできないで、夜が明けたら尾張の国へ出発してしまおうとしているので、

もはら
(下に打消を伴って)まったく。
解説

逢うことができなかったのは、国守が一晩中酒宴を開いたから。

「明けば」は「明け」が未然形なので仮定(夜が明けたら)、あとの「明くれば」は已然形なので確定(夜が明けたので)。

原文

現代語訳男も人知れず血の涙を流すけれど、逢うことができない。

解説

「血の涙を流せど」は、激しく嘆き悲しむこと。翌朝には出発するので今夜が最後の機会なのに、酒宴にさえぎられて逢えない嘆きを表している。

杯の皿の歌

原文
夜やうやう副明けカ下二連用な強意未然む推量終止と格助引用するサ変連体ほどに格助時間、女方おんながたより格助起点出だすサ四連体杯さかずきの格助体修皿に格助場所、歌を格助対象書きカ四連用て接助単純接続出だしサ四連用たり完了終止。取りラ四連用て接助単純接続見れマ上一已然ば接助順接確定、

現代語訳夜がしだいに明けようとするころに、女の方から出す杯の皿に、(女が)歌を書いて出した。(男が)手に取って見ると、

やうやう
しだいに。
女方(おんながた)
女のほう。
原文

現代語訳徒歩で渡る人が渡っても(裾が)濡れない(浅い)入り江のように、浅いご縁なので

かち人
徒歩で行く人。
解説

「えにし」は、「江にし」(入り江で)と「縁(えにし)」の掛詞。徒歩の人が渡っても裾も濡れないほど浅い入り江のように、あなたとは浅いご縁なので、という意味。

原文
と格助引用書きカ四連用て接助単純接続、末は係助区別なしク終止。

現代語訳と書いて、下の句はない。

末
(歌の)下の句。
解説

女は上の句だけを書いて、下の句を男にゆだねたのである。

原文
そ代名の格助体修杯さかずきの格助体修皿に格助場所、続松ついまつの格助体修炭して格助手段、歌の格助体修末を格助対象書き継ぐガ四終止。

現代語訳(男は)その杯の皿に、たいまつの燃え残りの炭で、歌の下の句を書き継ぐ。

続松(ついまつ)
たいまつ。
解説

「書き継ぐ」の主語は男。

原文
また副逢坂の関おうさかのせきは係助区別越えヤ下二連用な強意未然む意志終止

現代語訳また逢坂の関をきっと越えて(あなたに逢いに来)よう

逢坂の関
山城の国と近江の国の境にあった関所。
解説

「逢坂」の「逢ふ」に、女にまた逢うという意味をかけている。今は別れても、また逢坂の関を越えて逢いに来よう、という気持ち。

女の上の句と男の下の句で、一首の歌になっている。

原文
と格助引用て接助単純接続、明くれカ下二已然ば接助順接確定尾張の国おわりのくにへ格助方向越えヤ下二連用に完了連用けり過去終止。

現代語訳と(書いて)、夜が明けたので、(男は)国境を越えて尾張の国へ去っていった。

原文
斎宮さいぐうは係助区別水尾みずのおの格助体修御時おおんとき、文徳天皇もんとくてんのうの格助体修御女おんむすめ、惟喬親王これたかのみこの格助体修妹。

現代語訳この斎宮は清和天皇の御代の斎宮で、文徳天皇の娘であり、惟喬親王の妹である。

水尾(みずのお)の御時
清和天皇の御代。
解説

最後の一文は、この斎宮がだれであったかを書き添えたもの。

『伊勢物語』のほかの章段:初冠 / 月やあらぬ / 東下り① / 東下り② / 関守・つひにゆく道

テスト予想問題

A 読み・語句

  1. 次の語の読みを現代仮名遣いで答えよ。
    ①斎宮
    ②朝
    ③夕さり
    ④閨
    ⑤子一つ
    ⑥丑三つ
    ⑦今宵
    ⑧続松

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    ①さいぐう
    ②あした
    ③ゆうさり
    ④ねや
    ⑤ねひとつ
    ⑥うしみつ
    ⑦こよい
    ⑧ついまつ

  2. 次の語の本文中での意味を答えよ。
    ①いたはる
    ②ねむごろなり
    ③われて
    ④つとめて
    ⑤いぶかし
    ⑥心もとなし
    ⑦うつつ
    ⑧やうやう
    ⑨もはら(〜打消)

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    ①大切にする・手厚くもてなす
    ②心をこめている・丁寧だ
    ③強いて・無理に
    ④翌朝
    ⑤気がかりだ
    ⑥待ち遠しい・じれったい
    ⑦現実
    ⑧しだいに
    ⑨まったく(〜ない)

B 文法

  1. 傍線部の助動詞について、それぞれ意味と活用形を答えよ。
    ①そこに来【させ】けり
    ②いと逢は【じ】とも
    ③思へ【ら】ず
    ④寝【られ】ざりければ
    ⑤わが人をやる【べき】にしあらねば

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    ①使役・連用形
    ②打消意志・終止形
    ③存続・未然形
    ④可能・未然形
    ⑤当然・連体形

  2. 「されど、人目しげければ、え逢はず」を品詞分解し、現代語訳せよ。

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    されど=接続詞/人目=名詞/しげけれ=形容詞「しげし」(ク活用)の已然形/ば=接続助詞(順接確定)/え=副詞/逢は=動詞「逢ふ」(ハ行四段)の未然形/ず=助動詞「ず」(打消)の終止形。訳=けれども、人の目が多くて、逢うことはできない。

  3. 「明けば尾張の国へ立ちなむとすれば」と「明くれば尾張の国へ越えにけり」について、①「明け」「明くれ」の活用形と、それぞれの「ば」の意味の違いを説明せよ。②「立ちなむ」の「な」「む」を文法的に説明せよ。

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    ①「明け」は未然形で、「ば」は順接仮定条件(夜が明けたら)。「明くれ」は已然形で、「ば」は順接確定条件(夜が明けたので)。②「な」=強意の助動詞「ぬ」の未然形、「む」=意志の助動詞「む」の終止形。

C 現代語訳・内容

  1. 次の傍線部の動作の主体(だれが)と、相手(だれに)を答えよ。
    ①「この人よくいたはれ。」と【言ひやれりければ】
    ②かくて、ねむごろに【いたつきけり】
    ③小さき童を先に立てて、【人立てり】(「人」がだれかを答えよ)

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    ①斎宮の親が、斎宮に
    ②斎宮が、男に
    ③斎宮(女)

  2. 「まだ何事も語らはぬに帰りにけり。男、いと悲しくて、寝ずなりにけり」を現代語訳せよ。また、男が悲しく思ったのはなぜか。

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    訳=まだ何も語らい合わないうちに、(女は)帰っていってしまった。男はひどく悲しくて、寝ないまま(朝を迎えて)しまった。理由=せっかく女が来てくれたのに、うち解けて語り合うこともないうちに帰ってしまったから。

  3. 「君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか」を現代語訳せよ。また、この歌は、何について「夢かうつつか」と言っているのか。

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    訳=あなたがいらっしゃったのか、私が出向いたのか、はっきりしません。夢なのか現実なのか、眠っていたのか起きていたのか。何について=昨夜の逢瀬(女が男のもとを訪ねたこと)。

  4. 「かきくらす心の闇に惑ひにき夢うつつとは今宵定めよ」を現代語訳せよ。また、「今宵定めよ」にこめられた男の気持ちを説明せよ。

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    訳=悲しみで真っ暗になった心の闇のために、私も迷ってしまいました。夢か現実かは、今夜はっきりさせてください。気持ち=今夜もう一度逢いに来てほしいと、女を誘う気持ち。

  5. 「今宵だに人静めて、いと疾く逢はむと思ふに」を、「だに」の意味がわかるように現代語訳せよ。また、男がその夜、女に逢えなかったのはなぜか。

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    訳=せめて今夜だけでも(周りの)人を寝静まらせて、とても早く逢おうと思っていると。理由=斎宮寮の長官を兼ねる伊勢の国守が、狩りの使いの来訪を知って、夜通し酒宴を催したから。

  6. 「かち人の渡れど濡れぬえにしあれば」「また逢坂の関は越えなむ」について、①「えにし」と「逢坂」にかけられた意味を答えよ。②下の句にこめられた男の気持ちを説明せよ。③この歌は、だれがどのように詠んだものか。

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    ①えにし=「江にし」(入り江で)と「縁」。逢坂=地名の「逢坂」と「逢ふ」。②今は別れても、また逢坂の関を越えて、きっと逢いに来ようという気持ち。③女が杯の皿に上の句を書き、男が続松の炭で下の句を書き継いで、一首にした。