渭城朝雨浥軽塵 客舎青青柳色新
渭城の朝雨軽塵を浥し 客舎青青柳色新たなり
渭城に降る朝の雨は、軽い塵やほこりをしっとりとぬらし
旅館のあたりでは、柳が青々として新鮮である
・客舎…旅館
・雨によって砂や塵が洗い落とされて、柳の青々として新鮮に見える。
長安・渭城・陽関・安西の位置は教科書の地図でよく確認しておこう。
都である長安から遠く安西まで使者として旅立つ元二を、作者(王維)は渭城まで一緒に来た。一晩渭城の旅館で宿泊し、朝ここでお別れをする。
※柳は、当時は「別れ」を意味するものであった。
勧君更尽一杯酒 西出陽関無故人
君に勧む更に尽くせ一杯の酒 西のかた陽関を出づれば故人無からん
君(元二よ)もう一杯、酒を飲みほしたまえ
西に向かって陽関を出てしまえば、古くからの友人もいなくなるだろうから
陽関…西への玄関口。
・故人…古くからの友人。 ※「亡くなった人」ではない。
昨晩から酒を飲み交わしていたが、最後にもう1杯飲むよう勧めている。ここを出てしまえば、もう一緒に酒を飲めるような友人はいなくなってしまう。
詩の形式:七言絶句
押韻:塵・新・人